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新・田村麻子のオペラな人生 河口湖音楽祭 2010 歌の玉手箱

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河口湖音楽祭 2010 歌の玉手箱

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皆様、こんにちは!

先週は、河口湖音楽祭に行き、二つコンサートを終えてきました。
まず一つ目は、歌の玉手箱と題された、私のリサイタル。
こちらは、2年前に出演したときと同様、詳細なレポートを、
音楽祭専属のフォトグラファー;三浦氏が書いて下さいました。
手抜きのようですが、こちらがとてもよく書かれているので、
そちらをコピーして掲載させて頂きたいと思います。
三浦さん、素敵な写真と文を、本当にありがとうございました!

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8/20 田村麻子ソプラノ
富士山河口湖音楽祭2010
ソプラノ リサイタル
田村麻子の歌の玉手箱 ~湖のほとりで歌声響く~ 

8月20日(金)15:30~ 河口湖円形ホール


二度目の河口湖音楽祭

 用意された席はあっと言う間にふさがる。その大半は華のある年配の女性。会話から察すると仲間同士らしい。再会を喜んだり、田村麻子の今後の動向を話したり。「麻子ちゃんが…」と言う声も聞こえる。少数派の男性もどちらかといえば年配の方が多い。まだ明るい外の光を受けてステンドグラスも鮮やかに輝き、会場に花を添えている。

 今日の一番の花、田村麻子が、河口湖音楽祭へ出演するのは二度目。2年ぶりである。白・黒・グレーだけの配色のドレス姿が、しっとりとして美しい。玉手箱のふたが開く。「夏の思い出」「浜辺の歌」「七つの子」と、三曲続けて歌う。まさしく玉を転がすような澄んだ声で、遠くを見つめるように、伏し目がちに、余韻を残し…。しみじみと胸に迫ってくる。<ああ,懐かしい。やっぱり日本の歌っていいなあ> 聴く人の心身をも清らかにしてくれ、郷愁にかられる。
  
 江澤隆行のピアノの伴奏もいい。柔らかいタッチで、しっとりと静かに流れる。間奏も快く響く。終始穏やかな表情だ。歌う人が、持ち味を十分に発揮できるのも、こういう優れた伴奏あってのことだということが納得できる。 

本邦初公開の歌

 緑豊かな京都に生まれ育ち、暗くなるまで自然の中に溶け込んで遊んでいたので、河口湖のような緑いっぱいの自然のなかで、また歌えるのは嬉しいと、まずはご挨拶。<無意識のうちに、実際は人間など生き物のために役に立っているのに、木は単に木としてそこに存在して木の生を生きているだけ。自分も木などの自然のように、透明な受け皿になって歌っていきたい>と豊富を述べ、引き続き日本の歌曲を三曲歌う。

 ここでプログラムを一部変更、「子守唄」の代わりに、「歌を歌ってあげたい」「初恋」の二曲になる。「歌を歌ってあげたい」は、本邦初公開。子供の合唱曲で気に入った部分があり、それを知った作曲者が彼女のためにソロにしてくれたのだと言う。歌詞がとてもいい。<歌を歌ってあげたい 低く小さく優しい声で …眠れない夜そばにいて歌を歌ってあげましょう…> もう一度聴いて、歌詞をしっかり書き留めたかったが、残念。プログラムが変更して喜んだのは私だけではないだろう。「初恋」も何度聴いても胸が締め付けられる。石川啄木の、あの<砂浜の砂にはらばい 初恋の いたみを遠く思いいずる日>だ。ソプラノの、細く長く…尾を引く歌い方が寂しく切ない。さらに切なくさせたのが、「宵待草」。大正・昭和のロマンが詰め込まれていて、特に40代以上には、昔が思い出される曲だ。歌う表情やちょっとした仕草が悶々とした雰囲気をつくる。うら悲しいトーンの声。終わったとたんに、会場に大きなため息がワッと出て、「ブラボー」と拍手喝采。思わず、涙が出てきた。チラッと見ると、何人もハンカチを手にしていた。
 
アヴェ・マリア

 「アヴェ・マリア」が、四曲並ぶのは嬉しい驚き。このホールに居合わせる幸せと、もったいなさを覚える。世界で大活躍の田村麻子と、膝を交えた語らいのように、彼女の生の声に触れているのだ。「アヴェ・マリア」は、世界に100曲以上あるらしい。口にするだけで敬虔な気持ちになる10曲があって、さらに絞って4曲にしたとか。グノー、カッチーニ、シューベルト。どれもよく聴く曲だ。体を余り動かさないで歌う。大きく肩で息を吸う。ゆっくりと前屈みになる。目をつぶって歌う。シューベルトのは、言語だった。曲によって,違った雰囲気を出して歌っている。目をつぶって聴いてみる。心が洗われる。清められる。生きていることを噛み締めたくなる。ピアノの伴奏も、こうした心を壊さない柔らかさだ。
 マスカーニの「アヴェ・マリア」は、オペラの間奏曲につけたものだという。前の三曲に比べ、力強く、華やかさが感じられる。やはり、アリアを思わせた。                                             

 
大変身のソプラノソリスト
 
 後半は、オペラが主になる。ホールをオペラ劇場に見立てて、ピアニストの江澤隆行が解説、伴奏、進行の三役をこなす。その解説がふるっている。面白おかしく、解りやすく説明し、観客を舞台に引き込む。まず、494ページもあるピアノだけの分厚いスコアの本を見せて皆をびっくりさせる。オペラは、短いので1時間、長いので3~4時間、さらに長いので5~6日かかるものもあると言う。アリアとは、聞きどころの場面。コロラトゥーラと言う女性の高い音域で、玉を転がすような難しい歌い方に注目、などなど、解説。舞台に田村麻子が登場して、1曲目を歌い始める。終わるとまた次の解説。また、彼女が登場して2曲目を歌う…と言うふうに4曲を熱唱した。

 田村麻子は、ドンナ・アンナになり、ジュリエットになり、マノンになり、クネゴンテになり、…。失意の女性になり、若さを謳歌する華やかな女になり、歌い踊り狂う女にもなる、とその役に応じて歌いぶりや身振りを変えて大変身。見事というほかない。肩を抱いて、悲しむ。目をパッチリ開いて自信ありげに笑う。体をくねらせ、魅惑的な仕草をする。前半の、日本情緒あふれる歌をしっとり聴かせた彼女ではない。黒い手袋、大きく光るイヤリング。小道具も場面を盛り上げる。舞台いっぱいに動く。脳天から出すような、あの高い声が何度も転がる。台詞が入ったり、泣いたり…。大活躍のソリスト。ブラボー、スタンディングオべーションがいつまでも鳴り響いた。二人は、つないだ手を高く挙げて、深々とお辞儀をした。観客の大興奮のお陰で、楽しく変身できた、とリップサービスも。もちろん、その陰には、解説で観客の心をつかみ、皆をオペラへ誘導し、彼女の熱唱を支えたピアニストの伴奏があったことを書き添えておく。迫力のある彼女のソプラノに圧倒されっぱなしで、伴奏のあることを忘れることしばしば。間奏に入って、ピアノの伴奏のあるこに気づいたり。申し訳なし。

 プッチーニの「私のお父さん」の後の、アンコール2曲目「この道」は、最高に感動した。母がよく歌っていたことを思い出す。古き良き時代の日本の風景が目に浮かぶ。こんないい歌を残してくれた北原白秋・山田耕筰に、また、長く歌い継いできた代々の日本の国民に感謝。大げさではない。その証拠に、会場のあちこちで泣いているのだ。2階でも。ハンカチやタオルで涙を拭っている。シャッターを切ることなどできなかった。
 歌の力、歌うことを通して、その心を聴く人に届ける人たち。ありがたいことだと思う。一方、日本の歌曲が、普段の生活から消えかかっていることが寂しい。日本の詩的な原風景と、そこに住んでいた人の心が圧縮されている日本の歌曲が、今後もどんどん歌い継がれて、今の子供たちもどこかで懐かしがるものの一つにしたいなあと、つくづく思ってしまった。

program
中田喜直:夏の思い出/成田為三:浜辺の歌/本居長世:七つの子/シューベルト:子守唄/多忠亮:宵待草/グノー:アヴェ・マリア/カッチーニ:アヴェ・マリア/シューベルト:アヴェ・マリア/マスカーニ:アヴェ・マリア/モーツァルト:オペラ《ドン・ジョバンニ》より ドンナ・アンナのアリア〈いいえ、私はあなたのもの〉/マスネ:オペラ《マノン》より〈私が通りを歩くと〉/バーンスタイン:コミック・オペレッタ《キャンディド》より〈華やかに着飾っても〉

<レポート・撮影:三浦>

始まる前に、お客様に挨拶のお辞儀
kawaguchi-ko+2010+bow_convert_20100825025439.jpg

キャンディードのクネゴンデのアリアより。この夏、カーセン演出のキャンディードを経験したことで
少し、クネゴンでの解釈や、キャラクターも以前と変えて、披露いたしました。
Kawaguchi-ko+2010_convert_20100825025615.jpg

終了後、ピアノ伴奏者の江澤隆行さんと共に。
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それでは、また!!!

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河口湖ではありがとうございました

田村さん、河口湖では素晴らしい歌をありがとうございました。
三浦さんが書かれている通り、歌によって歌い方や表情を見事に演じ分けられる田村さんの変幻自在な表現力に、ただひたすら感心し感動していました。
「ステキ・・・。」とつぶやいていたのは、私の隣の方だったかもしれません。田村さんのことはあまりご存じない地元の方のようでしたが、田村さんの歌が始まるとそれまでとは態度が一変されましたから・・・。
それにしても、田村さんの歌をあんなに間近でたっぷり聴かせていただけるなんて、なんて贅沢な時間だったのでしょう。河口湖音楽祭、バンザイ!って感じです。
今度はいつお会いできるか分かりませんが、また機会があればぜひ歌を聴かせていただきに行きますね。
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asako tamura

Author:asako tamura
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