樹木希林さんとマッサージ
最近、マンハッタンのカイロプラクティックに通っています。
小さい頃から木登りをしたり、自転車を乗り回して育ったお陰か、
小学生の頃には
女子平均を遥かに超えた背筋力122KGという記録を誇っていたのですが、
そんな私が最近、なぜか腰に鈍痛を感じるようになり、
折角、海外保険もあることだし、、、と行ってみたのが始まりでした。
カイロプラクティショナーの先生はアメリカ人なのですが、
日本人の優秀なマッサージ師のかたも同じオフィスで働いてらっしゃって、
彼女の施術も受けられるとのことでしたので、
そちらもお願いすることに。
「よろしくお願いします」と日本語で部屋に入っていらしたそのマッサージ師の方は
すがすがしく、また包み込むようなオーラのある方でしたが、
お話してみるとさらにその印象は強いものになっていきます。
彼女のマッサージは、単に身体を揉んでほぐす事だけを指すのではなく、
大気中にあるエネルギー、ひいては、天からのエネルギーをあつめ、
彼女という身体を媒体にして、患者さんの身体にそのエネルギーを注ぎ込むのだと
説明してくださいます。
そんな話を伺っているうちに、最近何となく考えていたあることを
思い出しました。。。。
実はこのお正月に日本に帰国していたときに、
ある方の紹介で、女優の樹木希林さんとお食事をする機会がありました。
人生の、また女優としても大先輩の彼女と
色々なお話が出来ることを大変楽しみにして居た私は
あらかじめ質問したかったことを色々と伺ったり、
またそれに対して、丁寧かつ親身にお答えいただいたりして、
とても楽しい時間だったのですが、
そんな中、一番印象に残った事のひとつは、
「みなさん個性個性ってさかんにおっしゃるけど、
私から見ると最近の女優さんは色がありすぎるような気がします。」という
言葉でした。
私はこのときに希林さんの言わんとしてらした「個性」というものについて、
非常に通じるものがあったため、
なるほど、そうかもしれないなあ、、と大変共感しました。
私は良い歌というものは、自分がこうしたい、ああしたいという
欲求を超えたところで、何か別の、たとえば天からのエネルギー
(それが作曲家のもつものか、音楽の神のものかは定かでありませんが)
によって歌わされるような感覚の歌だと思っていますので、
冒頭のマッサージ師の方のおっしゃることと正に同じで、
歌手の最高のパフォーマンスとは、
自分がそのエネルギーを通すただの入れ物になって、
そのエネルギーを聴衆に伝える巫女さんのような役目になった時に
発揮されると思っています。
(ずいぶん前に、同じようなことをこのブログでも書いたことがあるのですが、、)
そして、その状態は、いわゆる”無我”の境地であり、
その時にこそ、その入れ物である歌手(人間)の
ほんとうの、真の個性、色というものが出てくるのだと考えています。
ですので、それはたとえば、
「私はおしゃべりだ」とか、「泣き虫だ」とかそんな個性とも
呼べないような「その人の状態」とは明らかに違うものであり、
希林さんのおっしゃっていたことは、
そういう表面で作られた一時的、または継続的な状態を
「個性」と履き違え、安易にそれを芸風というものにしている最近の
方々への警鐘だと私は受け取りました。
そして、今日マッサージ師の方が
彼女のマッサージへの考え方を説明してくださった時に、
ああ、、やはりそうなのか、、と
何となく自分の感じ、考えていたことの一致をみて
嬉しくなったのでした。
今日は少し理屈っぽくなってしまいましたが、
そんなことを考える間もなく、
彼女のマッサージはそれはもう素晴らしくて、
帰る時にはあまりにも身体が軽くなりすぎて、
ゆわんゆわんと眩暈がするようでした。(笑)
マッサージ師も、歌手も女優も
各々が良い仕事をきちんとこなせば、
幸せな人が増えるのだなあ、、とぼんやり考えながら
寒いマンハッタンを帰ってきました。
それではまた次回に。。。!
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